session006
オリンピックに向けて、外国人に対してのプロモーションも必要だと思います。
女性プロサーファー川合さん:ここ最近、オリンピック開催決定の影響からか、地元のおじいちゃん、おばあちゃんからも声をかけられるようになりました。「プロなの?」「オリンピック目指してるの?」「頑張ってね!」と。遊びではなくスポーツとして理解してくれる方が多くなって嬉しいです。
ウォーターフォトグラファー神尾さん:オリンピックによって全世界に名前を知られるようになったので、ほかの国のビーチ事情なども研究して、より良いビーチ作り、サーフタウンづくりをしてほしいですね。波のクオリティに関しては、直接話を聞く限りでは海外のサーファーからも高い評価を得ています。あとは、海外のビーチには必ずある子供向けの公園を作ったり、海外では桟橋にチェス盤がよく置いてあったりしますが、そういった高齢者が集える場を作ったりの整備が進むと、より魅力的な町になりますよね。サーファーも含めた町民の声をよく聞いてまちづくりを進めてもらいたいです。
地元プロサーファー河野さん:オリンピックでサーフィン競技が開催されるのも初めてのことなので、色々わからないこともあると思いますが、ぜひ成功させるために、行政の人と町の人たちみんなで意見を出し合ってやっていくといいですよね。今は主にサーファーと釣り人しか海にいない状況ですが、いろんな人が集う海になるといいですね。
それから、海側だけでなく山側も含めてのまちづくりですよね。海と山が近いのも一宮町の魅力だと思います。サーファーの中にも、波があるときはサーフィン、そうじゃない時は野池で釣りとか、ゴルフとか、海鮮グルメとか、サーフィン+αで様々に楽しんでいる人もいます。山側といえば、国道沿いの商店街を活性化していければより良いですよね。
女性プロサーファー川合さん:商店街にもWi-Fiのあるカフェができれば、利用しやすいですね。私自身、海外遠征の時の経験から言っても、海あがりに誰もが気軽に入れるカフェが欲しいですし、海外から来る方にもWi-Fiがあると喜ばれると思います。
ウォーターフォトグラファー神尾さん:海から上がって休憩できる、ステーション的な飲食店がもっと増えることに期待しています。オリンピックに向けて、外国人に対してのプロモーションも必要ですよね。成田空港から近く、東京駅からの特急も止まる交通の利便性もある町なので、もっとPRしてもいいですよね。英語のウェブサイトを作ったり、看板に英語表記を加えたり、飲食店のメニューも英語表記が必要でしょうし、すでに一宮町に住んでいるサーファー外国人に意見を聞いてみるのもよいと思います。
「波音」高橋さん:うちのレストランは元々、海外からのサーファーも多く訪れます。やはり英語表記のメニューや海外の人が食べやすいような、ハンバーガーみたいな分かりやすい洋食メニュー、Wi-Fiなどのサービスが喜ばれますね。
女性プロサーファー川合さん:去年、鴨川で女子の世界大会があったのですが、その時に外国の選手も「日本は波がいいね」「駐車場も広くていいね」などと言ってくれていました。これから更にこの地域が世界のサーファーに注目されると思うので、外国人サーファーが過ごしやすい場所も色々と整備されるといいですよね。
地元の飲食店やサーフショップを利用してローカルのコミュニケーションも楽しんでほしいですね。
ウォーターフォトグラファー神尾さん:昔と違って、インターネットで波情報が簡単に手に入るようになったことで、駐車場での車の停め方や「ここはロングボードNGだよ」など、暗黙のルールが伝わらなくなってきていますよね。ローカルのサーフィンルールは簡単には得られない情報なので、面倒くさがらずに地元のサーフショップなどでコミュニケーションをとってほしいですね。それがサーフィンを楽しむためのTIPS!自分に合ったポイントでサーフィンしないと、危険だし、波にも全然乗れない。それでは楽しい訳ないですから。
「波音」高橋さん:チェーン店やコンビニにさっと入るだけでなく、地元の飲食店やサーフショップを利用してローカルのコミュニケーションも楽しんでほしいですね。ワックスがコンビニで買えちゃうのも、サーフショップに行かなくなってきてる要因かも。笑
地元プロサーファー河野さん:一宮は、昔に比べるとローカル色が薄まって、誰でもサーフィンしやすい場所にはなってきていると思います。その分、志田下に鳥居がある意味とか、伝統とか、サーフィンだけでなくルーツや歴史を知らないサーファーがほとんどです。でも、せっかくサーフィンで色々な場所に行くのだから、その土地その土地の歴史や情報を知れた方がサーフィンライフはもっと充実するはずです。
そして、町側からしても、自分たちの町の魅力を伝えられていないということですから、勿体無いですよね。ビジターサーファーとの交流が活発な町になっていけるといいですね。
ウォーターフォトグラファー神尾さん:町として、まずはサーフィンのレジェンド、パイオニア達から話を聞いてそれを写真と記事で伝えていくといいと思います。そうすると、その下の代、またその下の代と、ヒストリーが繋がってくる。そこにはサーフィンの歴史だけでなく一宮の海の歴史が浮かび上がってくるはずです。それをビジターサーファーや観光客の人に伝えていけたらいいですね。
地元プロサーファー河野さん:ショップ主催のビーチクリーンがいくつかあるのですが、ただゴミを拾うだけじゃないイベントもあります。ビジターサーファーも、サーファーじゃない移住者の人たちも、地元の人も、みんなが集まってコミュニケーションできるビーチクリーンもあります。いつもは海の中だけで会うサーファー同士も、浜辺でゴミを拾いながら改めて話ができたり。そういう場に参加してもらうのもよいのではないでしょうか。